2007 Fiscal Year Annual Research Report
砂岩に生息するアナジャコ類の生活史とアナジャコ類の生態における多様性の解明
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06J04581
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
平野 優理子 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アナジャコ / Upogebia / Thalassinidea / 甲殻類 / Crustacea / 砂岩 / 南西諸島 / 分類 |
Research Abstract |
本研究では、南西諸島に生息するアナシャコ類の分類と分布について調べた。また、雌雄の生殖孔の位置に関して新たな知見を得た。 南西諸島の奄美大島、沖縄本島、石垣島、西表島の4島から、既知のUpogebia carinicauda、 U. sakaii、 U. yokoyai、 U. miyakei、 U. iriomotensis、 U. saigusai、 U. snelliusi、 U. spinidactylusの8種に加えて、西表島の砂岩から、1種の未記載種(Upogebia sp. C:記載中)が見つかった。また、U. miyakeiの雄個体が初めて見つかり、再記載を行った。アナジャコ類の生息基質は、U. carinicauda、 U. sakaii、およびU. yokoyaiが砂や泥の干潟、U. miyakeiは転石の下の砂、残りの5種は潮間帯の砂岩だった。各島におけるアナジャコ類の分布は、奄美大島には干潟生息種3種、沖縄本島にはU. carinicauaudaとU. yokoyaiの2種、石垣島にはU. yokoyaiとU. miyakeiの2種、そして西表島には、U. carinicauda以外の8種が分布していた。 アナジャコ類は、雌雄で生殖孔の位置と腹肢の数が異なり、雄では生殖孔が第5歩脚、雌では第3歩脚の基節にある。また、雌には第1〜5腹肢があるが、雄には第1腹肢が無い。しかし、9種のアナジャコ類の中に、第3、5歩脚の両方の基節に生殖孔を持つ個体が見つかった。U. carinicauda、 U. sakaii、 U. snelliusi、 Upogebia sp. Cの4種では、雄のそれぞれ約10%、15%、93%、および60%が生殖孔を2対持つ個体だった。さらに、U. sakaiiでは、抱卵雌を含む全ての雌が生殖孔を2対持っていた。残りの5種では、雌雄ともに生殖孔は1対だった。
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Research Products
(5 results)