2007 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスの増殖制御因子および複製に関与する細胞側因子に関する解析
Project/Area Number |
06J04590
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
阿部 健一 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / ウイルス複製 / レプリコン / 栄養成分 / 宿主因子 / 遺伝的多様性 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)の複製を制御する因子として、レポーター遺伝子であるルシフェラーゼ活性を測定する事で簡便にHCV RNA複製レベルを定量化できるOR6細胞を用いて、日常に摂取する栄養成分(ビタミン、アミノ酸、無機物、脂肪酸など46種類)がHCV RNA複製に及ぼす影響を評価した。その結果、ベータカロテン、リノール酸、ビタミンD2の3剤に抗HCV活性がある事を見いだした。 また、HCV RNA複製に影響を与える宿主遺伝子として、RNAヘリカーゼ蛋白質であるDDX3を同定した。これまでに、DDX3はHCVコア蛋白質と結合することが報告されていたが、複製に与える影響は調べられていなかった。当教室で樹立された全長HCV RNA複製細胞であるO細胞にDDX3をノックダウンするshRNAを導入すると、全長HCV RNA複製が抑制される事がわかった。その抑制効果はサブゲノムレプリコン細胞であるsO細胞よりも高かったため、コアとDDX3との相互作用が全長HCV RNA複製に重要である事が示唆された。 昨年樹立に成功した「HCV RNA複製しにくい細胞」に効率よくHCV RNAが複製する細胞由来のcDNAライブラリーをレトロウイルスにより導入し、HCV RNA複製効率に影響を与える遺伝子のスクリーニングの結果、HCV RNA複製と関連のありそうな遺伝子を2遺伝子同定した。これらの遺伝子がHCV RNA複製に与える影響をこれら宿主遺伝子に対するshRNAを発現させ、ノックダウンする事で検討している。 ウイルス側因子として、当教室で樹立した5種類の全長HCV RNA複製細胞の長期培養により、時間経過とともに、生じるHCVの遺伝的多様性が拡大する事を明らかにした。
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Research Products
(24 results)