2006 Fiscal Year Annual Research Report
日系カナダ人家庭における言語選択およびコードスイッチングに関する社会言語学的研究
Project/Area Number |
06J04734
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
時田 朋子 東京外国語大学, 地域文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | バイリンガリズム / 言語使用 / コードスイッチング / 日系カナダ人 / バンクーバー / 国際結婚 |
Research Abstract |
バンクーバーにおいて,平成17年度に収集した会話データの分析を行った。まず、7家族から収集した計15時間程度の音声データを全て文字化した。5家族は日本語と英語を使用しており、父親は英語系カナダ人,母親は日本人,子どもはカナダで生まれ育っている。2家族は英語・フランス語・日本語を使用しており,父親はフランス語系カナダ人,母親は日本人,子どもはカナダで生まれ育っている。 そのデータの一部(4時間程度・日本語と英語を使用する2家庭)を、先行研究より着想を得て構築した概念的枠組みに基づいて分析した。データは、「文内コードスイッチング」、つまり文法的観点(ミクロ的)からと、「文間コードスイッチング」、つまり会話分析の観点(マクロ的)から分析を行った。それらを通して、バンクーバーに住む、日本語と英語を使用するカナダの家庭において、いかに二言語が使用されているのかを記述した。特に,日本語と英語が使用される環境で育った子どもを対象分析としている。家族の属性などを考慮しながら、言語使用との関連性を考察した結果、父親の日本語能力および兄弟の有無が、子どもの言語使用に大きく影響していることが明らかになった。6に示したように、これらの研究結果は、学会・研究会において発表を行い、論文としてまとめてある。 今後は、平成18年度に扱わなかった5家族のデータを扱い、さらに分析を広げていく。それらは引き続き、学会・研究会において発表を行い、論文としてまとめるつもりである。すでに、平成19年5月30日にUniversity of Hamburg(ノ・ンブルク)で開催される「The 6th Intemational Symposium on Bilingualism」において拙論「Language use and code-switching : An investigation of English-Japanese Interlingual Families in Canada」の発表が決定している。
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Research Products
(1 results)