2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J04770
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
柿崎 智博 Iwate University, 農学部附属寒冷バイオシステム研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 葉緑体 / 葉緑体シグナル / SuperSAGE / オルガネラコミュニケーション |
Research Abstract |
前年度までに明らかにした、「葉緑体タンパク質輸送装置欠失変異体ppi2では特定の核コード葉緑体タンパク質遺伝子の発現が抑制される」という現象をより詳細に理解するため、主に以下の2項目について解析を行った。 1)既知の葉緑体シグナル伝達経路との遺伝学的関係 これまでの知見からppi2変異体では葉緑体シグナル伝達経路に変化が生じていること予想されたが、この変化に既知の葉緑体シグナル伝達因子が関与しているか否かを明らかにするため、それらの因子が欠失している変異体(gun1変異体およびabi4変異体)とppi2変異体の二重変異体を作出し、遺伝子発現解析を行った。その結果、いずれの二重変異体もppi2変異体と同一の遺伝子発現プロファイルを示したことから、ppi2変異体においてはGUN-ABI4以外の因子がシグナル伝達に関与していることが示唆された。 2)SuperSAGE法による遺伝子発現解析 ppi2変異体における遺伝子発現の変化を包括的に理解するため、SuperSAGE法による遺伝子発現解析を行った。SuperSAGE法の実施においては、(財)岩手生物工学研究センター・寺内博士に協力を頂いた。野生型由来の126,000タグおよびppi2変異体由来の204,000タグのシークエンスを決定し、Gene Ontologyに基づく遺伝子の分類を行った結果、ppi2変異体において発現が減少(野生型の40%以下)する遺伝子の約30%は葉緑体・プラスチドに局在するタンパク質をコードしていると予測された。 今後SuperSAGE法において興味深い発現変動を示す遺伝子について詳細な機能解析を行う予定である。
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Research Products
(6 results)