2006 Fiscal Year Annual Research Report
ザゼンソウの発熱制御機構におけるAOXおよびUCPb遺伝子の共発現の意義の解明
Project/Area Number |
06J04775
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
恩田 義彦 岩手大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ザゼンソウ / 発熱植物 / シアン耐性呼吸酵素 / AOX / 脱共役タンパク質 / UCP / ミトコンドリア |
Research Abstract |
平成18年度は、本年度の研究計画の中心となっていた、単離ミトコンドリアにおけるSfAOXおよびSfUCPbの機能解析を積極的に推し進めた。具体的には、ザゼンソウの発熱性肉穂花序からパーコール密度勾配遠心法によりミトコンドリアを精製し、1)酸素消費量を指標とした呼吸活性、および、2)膜電位形成機能、についてそれぞれ、クラーク型酸素電極および膜電位特異的蛍光試薬を用いた蛍光分光測定により解析を行った。1)により、αケト酸の1つであるピルビン酸のSfAOXに対する効果を解析した結果、SfAOXがピルビン酸濃度依存的に活性化され、SfAOXを介する酸素消費が大幅に増大することを明らかにした。さらに、SfAOXに対するピルビン酸の効果を直接的に解析するため、IO-SMP(inside-out submitochondrial particle;反転膜小胞)を調製し、IO-SMPにおいてもSfAOXがピルビン酸により活性化されることを確認した。また、2)により、遊離脂肪酸の1つであるリノレン酸のSfUCPbに対する効果を解析した結果、SfUCPbがリノレン酸濃度依存的に活性化され、膜電位が低下することを見出した。 1)および、2)の解析方法では、それぞれ酸素消費量と膜電位形成機能を個別に解析するに過ぎなかった。しかしながら、UCP分子の機能解析をするにあたり、同一ミトコンドリアの酸素消費と膜電位を同時に解析する必要があると考え、クラーク型酸素電極とは測定原理が異なる酸素プローブを導入し、酸素消費量と膜電位形成機能を同時に解析できる測定装置をセットアップした。現在は、この装置を用いてSfUCPbの機能解析を継続中である。
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