2006 Fiscal Year Annual Research Report
レプチンによる家畜の下垂体前葉ホルモン分泌支配と作用に関する研究
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06J04782
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
野中 寿美恵 岩手大学, 大学院連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | レプチン / 反芻家畜 / 下垂体前葉ホルモン / RIA |
Research Abstract |
1)子ウシを用いたレプチンの脳内投与実験について 本研究は、初めに、レプチンをウシの第三脳室内に投与し、レプチンの視床下部を介したLH、GH及びPRL放出作用を検討し、次に視床下部内側底部に直接レプチンを投与して検討した。 去勢牛の第三脳室内に10μgのレプチンを投与したが、LH及びPRL放出には影響は見られなかった。しかし、レプチンは投与後40〜60分にかけて対照区に比べて有意にGHを放出した(P<0.05)。 雄子ウシの視床下部内側底部にレプチンを投与してもLH及びPRL放出には影響しなかったが、GHにおいてはレプチン投与後230〜250分にかけて、投与前の値と比較して有意に高くなった(P<0.05)。 以上の結果から、ウシにおいてレプチンは視床下部を介してGH放出を刺激することが示唆された。 2)ラジオイムノアッセイ(RIA)によるレプチンの測定系の確立及び血中レプチン濃度の日内変動について 本研究は、RIAによる反稠家畜の血中レプチン濃度測定系を確立し、反甥家畜の血中レプチン濃度の日内変動を明らかにしようとした。 RIAによる血中レプチン濃度の測定系を確立するために、ウサギにヒツジレプチンを免疫して抗血清を作製し、アフィニティカラムを用いて精製し濃縮した。RIAプロトコールは、Blacheらの方法に従った。作製した抗体は、500〜1,000倍でRIAに使用でき、反芻家畜の血中レプチン濃度を測定出来た。次に、雄ウシと雌ヤギから、15分間隔で24時間採血を行い、血中レプチン濃度を測定した。雄ウシの血中レプチンの変化は不規則なパルス状分泌形態を示した。雌ヤギにおいても血中レプチンの変化は雄ウシと同様、不規則なパルス状分泌形態を示した。 以上の結果から、本研究で確立したRIAによりウシ及びヤギの血中レプチン濃度は不規則なパルス状分泌形態を示すことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)