2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁気シールドルームを必要としない自由空間型生体磁気計測用SQUID磁束計の開発
Project/Area Number |
06J04784
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小山 大介 岩手大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 心磁図 / 超伝導量子干渉素子(SQUID) / FLL回路 |
Research Abstract |
本研究ではSQUIDを制御する回路(FLL回路)をデジタル化し、高性能かつ廉価なSQUID磁束計を開発している。本研究では12bitの安価なA/D変換器と16bitのD/A変換器及び汎用ワンチップマイクロコントローラを組み合わせることによって、これまで200Φ_о/s程度だったデジタルFLLシステムのスルーレートを1.4kΦ_о/sまで向上(7倍)させ、磁気シールドルーム外での心磁図計測を実現した。また、回路設計のために必要なデジタルフィードバック系のモデルを一般化し、系のスルーレートやダイナミックレンジ、周波数特性を解析する方法を確立した。現在、これらの成果を踏まえて、より高性能な回路製作を行っている。 平成19年度に行う予定であったシステムのマルチチャンネル化も並行して行った。本研究で開発したデジタルFLLシステムは回路とホストコンピュータにデジタル処理を分散させているため、その間のデータ通信には特殊な方式が必要となる。このため、複数のデジタルFLL回路を同時に制御する回路を製作した。この制御回路とそれぞれのデジタルFLL回路はRS485によってデータ通信を行う。これによって、複数のデジタルFLL回路を同時に制御することが可能となる。また、制御回路とホストコンピュータ間の通信にはUSB2.0を用いることによって、生体磁気計測に必要とされる高速(2kHz)のデータ記録を実現した。 平成19年度は、今年度に開発した基本的な制御方法を応用し、実用型心磁計を完成させる。また、計測したデータから心磁図を取り出すための信号処理方法の検討も進める。
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