2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁気シールドルームを必要としない自由空間型生体磁気計測用SQUID磁束計の開発
Project/Area Number |
06J04784
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小山 大介 Iwate University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 心磁図 / 超伝導量子干渉素子(SQUID) / FLL回路 |
Research Abstract |
平成19年度までに、デジタルFLL回路を高スルーレート、広ダイナミックレンジ化するための回路設計方法に関する検討を行い、低温超伝導SQUIDを用いて磁気シールドルーム外での心磁図計測に成功した。一方、低温超伝導SQUIDを冷却するための液体ヘリウムの価格急騰及び世界的備蓄量の減少により、液体ヘリウムを用いないSQUIDを用いる心磁計の開発を同時に進行してきた。本年度は液体窒素や冷凍機を用いた冷却方法に着目し、より実用性の高い生体磁気計測用SQUID磁束計の開発を行った。 冷凍機冷却による方法に関しては、受け入れ研究者が参加している共同研究において開発した冷凍機及び新しい超伝導材料MgB_2によるSQUIDを利用する心磁計の開発を行った。近年注目されている新しい超伝導材料を用いたシステムとしては、世界で初めて心磁図計測に成功した。 液体窒素を用いる方法に関しては、高温超伝導SQUIDを用いたシステムによる磁気シールドルーム外での心磁図計測に成功した。更に、より空間的自由度の高いSQUID磁束計を実現するため、高温超伝導SQUIDを手に持って操作することが可能なSQUID磁束計を実現した。この場合、センサを保持する手の震えや移動によって心磁図に比べて大きな磁場変動を感知してしまい、一般的なシステムではオーバーレンジになってしまう。これに対し、本システムでは広いダイナミックレンジを持っており、手に持った状態での計測が可能である。磁気シールドルームが必要でなく、かつ、手に持った操作が可能な、空間的に自由度の高いSQUID磁束計を開発した。 また、本研究の成果はASC2008やBiomag2008などの国内外の学会で発表され、Biomag2008ではYoung Investigator Awardを受賞した。
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Research Products
(11 results)