2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J04975
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三嶋 恒平 Tohoku University, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 東南アジア(タイ・ベトナム) / オートバイ産業 / 動態的能力アプローチ / 企業間分業関係 / 相対的後進性仮説 / 製品・工程ライフサイクル説 / 外資系企業主導の産業形成 / グローバル化時代の国際競争 |
Research Abstract |
本年度の最大の成果は、「東南アジアオートバイ産業の形成と発展」という題目の博士論文を完成させて東南アジアオートバイ産業に関してひとつの論文にまとめたことである。この博士論文によって、従来不明の点が多かった東南アジアオートバイ産業の発展経緯や経済学的意義が明らかになった。この博士論文は3部8章、303ページからなる大部であり、タイ、ベトナムオートバイ産業の形成と発展を、企業の組織能力、イノベーションのライフサイクルのそれぞれを途上国産業の発展段階と比較し、検討した。あわせて、外資系企業が極めて重要な役割を果たす東南アジアオートバイ産業の検討から、外資系企業の途上国産業の形成と発展に果たす役割の大きさを示した。こうした内容である博士論文は審査を通過し、博士(経済学、東北大学)の学位を取得することができた。さらにこの博士論文を中心にこれまでの研究成果が高く評価され、東北大学から総長賞を2008年3月に授与された。 また本年度の成果として、博士論文の各章をさらに発展させた「1990年代後半のタイオートバイ産業」および「タイオートバイ産業の勃興」の2つの論文がそれぞれ査読を経て査読誌に掲載されることが決まったことも挙げられるだろう(現在、最終調整中であるが、前者はアジア経営学会『アジア経営研究』、後者は東北大学経済学会『研究年報経済学』に掲載されることが既に決まっている)。この両論文により、先行研究では十分に検討されてこなかった、世界のオートバイ産業で研究開発、生産の重要拠点であるタイオートバイ産業の形成過程が明らかになった。こうしたタイオートバイ産業の形成過程から外資系企業が主導する産業発展の意義の大きさも示唆され、本研究はオートバイ産業にとどまらず途上国産業の形成についても大きなインパクトを及ぼすものと考えている。
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Research Products
(3 results)