2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオンチャネル形成毒ポリセオナミドの全合成と機能解析
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06J04986
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田名部 真太郎 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポリセオナミド / ペプチド / 非タンパク質構成アミノ酸 / イオンチャネル / ナノチューブ / へリックス / 固相合成 / チオエステル |
Research Abstract |
イオンチャネル形成形成毒ポリセオナミドは、生体膜中で電位依存的な開閉挙動を示すペプチドナノチューブを形成する。ポリセオナミドは多数の非タンパク質構成アミノ酸を含む48残基のアミノ酸がD, L交互に並ぶ特異な構造を持つ。ポリセオナミド程巨大な非リボソームペプチドの合成は生物学的にも化学的にも未踏の領域である。本年度はポリセオナミドの完全化学合成を第一の目的として研究を行った。 ポリセオナミドは、後の簡便な誘導体合成を視野に入れて、4つのペプチドフラグメント調製、続くカップリングにより収束的に全合成する計画を立てた。 すでに11種類のポリセオナミドを構成する非タンパク質構成アミノ酸の合成は完了していたので、まずはカップリング反応の条件を最適化した。モデルペプチドによる検討の結果、銀塩を用いたアミンとチオエステルのカップリング反応が最もよい結果を与えた。用いる試薬、溶媒、添加物についても検討を重ねてカップリング条件を最適化した。 続いて、4つのペプチドフラグメントを調製した。ペプチドフラグメントの合成はペプチド自動合成機を用いてアミノ酸を連結して行った。ここで、得られた合成ペプチドはカップリング反応に用いるためにチオエステルへと誘導した。このようにして4つのペプチドフラグメントを合成した。 ペプチドフラグメント合成が完了したので、4つのフラグメントを収束的に連結することにした。モデルを用いて最適化した条件で反応を行った結果、ポリセオナミドフラグメントでのカップリングに成功した。このカップリング反応を3回繰り返すことで、ポリセオナミドBと同等のMS, HPLCチャート、細胞毒性を持つ化合物の合成を達成した。今後はスケールを上げて合成を行い、NMRによる構造解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)