2007 Fiscal Year Annual Research Report
ベリリウム7太陽ニュートリノの精密測定による星の進化過程の検証
Project/Area Number |
06J05008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市村 晃一 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 太陽ニュートリノ / 原子炉反ニュートリノ / ニュートリノ振動 |
Research Abstract |
カムランド実験では現在、全太陽ニュートリノの約15%を占め、これまで単独では検出されなかった^7Be太陽ニュートリノを、電子との散乱事象の実時間測定を用いて単独検出することを目指している。平成18年度では、太陽ニュートリノ観測の妨げとなる放射線不純物を除去するための液体シンチレータ蒸留装置及び、高純度窒素製造装置が完成し、目標とする残存する放射性希ガスを^<85>Krを1/10^5、222Rnを1/10、放射性重元素の40Kを1/10^2、210Pbを1/10^5のレベルにまで低減するための純化が行われている。本年度では液体シンチレータの純化作業を行い、私は純化後の液体シンチレータの放射性不純物の残存量についての解析を行った。これには昨年度に整備した検出器内部の事象の位置分布・エネルギー分布をリアルタイムでモニターするためのオンライン解析システムを用いた。さらにその他の計測器のモニターにより検出器の体積・形状の変化を素早く確認することにも成功した。解析の結果、不純物の減少量は期待よりも少なく、7Be太陽ニュートリノの事象数、エネルギースペクトル、時間変化について詳細に調べたは至らなかった。また、純化前の全データを用いて原子炉反ニュートリノの振動パラメータの精密測定も行った。解析期間および有効体積の拡大し、エネルギー閾値を下げ、エラーを低減し、バックグラウンドについてもキャリブレーションを行うことで理解を深め、これまでの振動パラメータのエラーを半分以下に抑えることに成功した。
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