2006 Fiscal Year Annual Research Report
天然資源に含まれる自然免疫制御物質の探索とその制御機構の解析
Project/Area Number |
06J05061
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関谷 瑞樹 東北大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自然免疫 / ショウジョウバエ / 天然物 / サイトカイン |
Research Abstract |
自然免疫は全ての多細胞生物が有する普遍的な生体防御機構であり、獲得免疫の成立にも必須であることなどからも、現在非常に注目を集めている。自然免疫を制御する化合物は敗血症や日和見感染症などの治療薬のリード化合物、または自然免疫機構を解明するためのバイオプローブになりうると考えられる。 そこで、私はヒトと昆虫の自然免疫機構の類似性に着目し、遺伝子導入ショウジョウバエを用いた自然免疫制御物質のための探索系を構築した。すなわち、ショウジョウバエ幼虫個体の自然免疫の活性化をレポーター遺伝子で検出するアッセイ系と、自然免疫に依存しない化合物を排除するアッセイ系を組み合わせた探索系により自然免疫選択的に作用する化合物を検出できることを明らかにした。さらに、ショウジョウバエの自然免疫活性化経路内のタンパク質を過剰発現することにより、自然免疫制御物質の作用機序を解明できることを明らかにした。以上の内容はLife Sciences誌に掲載された(2006,80,113)。 続いて、上記の探索系を用いて、微生物エキスや植物エキス約5000種から自然免疫制御物質を探索した。その結果、チリ原産の植物であるチェリモヤの果肉エキスが自然免疫抑制活性を示した。活性を指標に分画を進めた結果、自然免疫増強化合物AC4、自然免疫抑制化合物AC-2を単離構造決定した。さらに、ヒト細胞への作用を検討したところ、HUVEC(ヒト膀帯静脈血管内皮細胞)に対し、AC-1はサイトカイン産生増強作用、AC-2はサイトカイン産生抑制作用を示し、新たな免疫医薬品のリード化合物となりうることを明らかにした。(日本薬学会第127年会)。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Establishment of in vitro systems to identify compounds acting on innate immune responses and to determine their target molecules using transgenic Drosophila'2006
Author(s)
Sekiya, M., Ueda, K., Fujita, T., Kitayama, M., Kikuchi, H., Oshima, Y., Kurata, S.et al.
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Journal Title
Life Sciences 80
Pages: 113