2007 Fiscal Year Annual Research Report
天然資源に含まれる自然免疫制御物質の探索とその制御機構の解析
Project/Area Number |
06J05061
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関谷 瑞樹 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自然免疫 / ショウジョウバエ / 天然物 / サイトカイン |
Research Abstract |
自然免疫は全ての多細胞生物が有する普遍的な生体防御機構であり、創薬の観点からも非常に注目を集めている。申請者らは、これまでに遺伝子導入ショウジョウバエを用いた自然免疫制御物質を探索するための独自のスクリーニング系を開発した。 そこで、本スクリーニング系を用いて天然資源から自然免疫制御物質の探索を行い、Aspergillus属の糸状菌から活性成分としてシクロペンタンジオール化合物(1)を単離した。また1が、ショウジョウバエにおいてimd経路選択的に、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)においてTNF経路選択的に自然免疫を抑制することを明らかにした。さらに、1の活性発現機構について解析を行い、ショウジョウバエにおいてIMD-dTAK1間、HUVECにおいてTAK1の上流で作用することを明らかにした。以上のことから、1は昆虫とヒトで共通性の高い分子に作用することにより双方の自然免疫を制御することが示唆され、敗血症やリュウマチの治療薬のリード化合物になりうることが明らかになった。上記の内容はBiochemical Pharmacology誌に掲載されることが決定している。 また、Talalomyces属の糸状菌から活性成分としてTP-76を単離した。TP-76はショウジョウバエにおいては自然免疫抑制作用を示し、HUVECにおいてはIL-8の産生を誘導することが明らかになった。さらに、TP-76の活性発現機構を明らかにする目的でマイクロアレイによる解析を行い、TP-76がケモカイン類の転写を選択的に促進することを明らかにした。以上からTP-76は新たな免疫賦活剤のリード化合物となる可能性が示唆された(第42回天然物化学談話会)。
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Research Products
(3 results)