2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J05069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
角張 泰之 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 体内埋め込み機器 / 経皮的電力伝送 / 温度制御 / 感温磁性体 / 磁気応用 |
Research Abstract |
本研究は,人工肛門括約筋をはじめとした体内埋め込み機器の実用化を目指した際に必要となる,非接触エネルギー供給装置,温度制御用デバイス,体外温度モニタリング装置を磁気応用の観点から開発することを目的としている.本年度は,感温デバイスの製作と温度制御動作の評価,及び体外での温度測定法の原理確立を目的とした. はじめに温度制御機構を包括した非接触エネルギー伝送システムの実現回路の設計を行った.5-10mm程度の皮膚を挟んで体内にエネルギーを供給する経皮トランスと温度によってインピーダンスが変化する感温デバイスとで共振系を設定することで,温度の上昇に伴う共振点変化を利用して出力を制限する機構を提案した.この結果を元に,具体的な感温デバイスを製作した.長さ10mm,幅3mm程度の小型ソレノイドインダクタであり,コアに温度によって透磁率が急峻に変化する感温磁性体を使用することで温度特性を持たせた.感温磁性体のキュリー温度を60℃と設定し,この温度でインダクタンスが急峻に低下する.素子は小型であり,測温対象である形状記憶合金の上に簡単に載り,実際の人工括約筋への適用が容易である.空気中及び生体を模擬した水中における実験でその温度制御性を確認したところ,いずれもキュリー温度付近での自動的な温度制御動作を確認し,生体内自動温度制御の可能性を見出した. 更にこの温度制御システム回路の体外側で計測可能なパラメータだけを利用して体内の感温デバイスのインダクタンス値を推定する検討を行った.体外側から体内方向を見たインピーダンスの実部と虚部とをそれぞれ計測し適切な計算を行うと,経皮トランスの結合状態に関わらず一意にインダクタンス値の推定が可能であることが示され,経皮的に温度情報を得る可能性が示唆された. 次年度においては,動物実験による更なる評価,及び対外励磁装置の具体的設計・製作を予定している.
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Research Products
(2 results)