2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J05069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
角張 泰之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 体内埋込み機器 / 人工肛門括約筋 / 経皮的電力伝送 / 感温フェライト / 温度制御 / 磁気応用 |
Research Abstract |
本研究は,加熱によってアクチュエータが動作する埋込み機器の完全埋込化を実現する上で必要な,非接触エネルギー供給,及び機器の温度制御・モニタリングについて,その方法・装置を開発することを目的とする.本年度は,温度制御機構の体内環境での評価,及びその時の温度情報を体外側で確認する装置の具体的設計を行った. 非接触エネルギー供給トランスと感温インダクタとで形成する共振回路を利用して温度制御を行う.小型の感温部品を対象とする埋込み機器(人工肛門括約筋)に組み込み,この括約筋を実際に山羊腹部に形成した大腸ストーマ内部に配し,その動作特性を確認する実験を行った.この温度制御機構は温度の上昇に対して加熱出力を低減させ,温度平衡点を能動的に作り出す.この出力の低減具合は,共振回路のQ値(共振の鋭さ)で設定することが可能である.体内の温度条件に対してQ値を適切に設定する必要があったが,今回,体外・体内の実験結果を併せて判断し,適切なQ値を与える負荷抵抗値を決定した.また製作した括約筋やエネルギー供給コイルの長期埋め込み実験も併せて行ったが,それらの生体適合性を確認した.上記の実験では温度の計測を有線で行ったが,実際は皮膚を貫通する配線は施せない.体外からインピーダンスの実部と虚部を計測し温度をモニターする方法を考案したが,今回この手法を装置として具現化した.非接触エネルギー供給のための励磁装置(高周波インバータ回路)を実際に製作し,この装置に対して電圧と電流の瞬時値をサンプリングする回路を付加した.この回路を利用し,通常使用が想定される非接触エネルギー供給トランスの位置関係において,およそ2割程度の誤差の中で温度に直結するインダクタンス値が得られることを確認した. 以上の検討を以て,加熱して動作させる埋込み機器において,生体内で熱傷を起こすことなく安全に駆動させる方法・装置を提案した.
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Research Products
(9 results)