2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J05084
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蔡 晴翔 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ショットキー型エミッタ / ダイヤモンド / 電気泳動前処理 / 熱フィラメント化学気相成長法 |
Research Abstract |
本研究の主要事項としてダイヤモンド材料、電子源構造制御、機能性、高輝度電子源アレイの実現と、それら集積化マルチ電子源の設計及び作成である。また、作成した電子源アレイを用いて新しい真空マイクロエレクトロニクスデバイスの開発を目的とする。本年度では、ショットキー型電子放出に適したダイヤモンドをエミッタとして利用し、低電圧、高輝度、かつ安定および長寿命な、電子源アレイを開発した。 1.タイヤモンド成長技術の開発。 ダイヤモンドの化学気相合成では、成長の前処理として核形成が必要になる。本研究は電気泳動装置を用い、まず電界でダイヤモンド粒子を堆積して成長の核を形成した。そして、形成した核に熱フィラメント化学気相成長法を用い、選択された高均一性タイヤモンドを成長させる技術を開発した。MEMS技術を用いて、鋭いアレイ状ボロン拡散ダイヤモンド探針を作製した。 2.ショットキー型マルチ電子源の試作。 高精度に組み立てるため、陽極接合を用いて、ゲート電極層、パイレックスガラス、シリコンフォーカスレンズを張り合わせる。一層目はボロンを拡散したダイヤモンドのアレイエミッタ、二層目はマイクロゲート電極層、三層目は、パイレックスガラスの絶縁層、四層目はマイクロ電子レンズである。ダイヤモンドアレイ探針とマイクロゲート電極は電気的に絶縁させるため、30μmのキャップを設けた。これらの構造は、シリコンの加工技術をベースにして行った。 3.作製したショットキー型の電子放出特性評価。 ダイヤモンド探針は、ダイヤモンドのマイクロヒーター上に形成され、ダイヤモンド探針を加熱することにより電子が低電圧で放出された。ダイヤモンドヒーターの加熱電圧2.8V、電界0.36V/μmの場合、安定したエミッション電流最大値490nAが観測された。
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