2007 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリートの環境劣化に対するマルチスケール・マルチフィジックス解析
Project/Area Number |
06J05091
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
車谷 麻緒 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ひび割れ進展解析 / Cohesive crack model / 節点積分近似 / マルチスケール / マルチフィジックス |
Research Abstract |
本年度は,まず,準脆性材料のひび割れ進展挙動を解析するために定型メッシュ解析法をミクロ構造の解析に適用した均質化法に基づくマルチスケール解析法を開発し,その結果の妥当性・有効性を検証した.さらに,これをコンクリートの経年的材料劣化の解析に応用することを意図して,拡散と変形のマルチスケール・マルチフィジックス解析手法へと発展させた.その結果,コンクリートの劣化現象で見られるような,拡散→ミクロな損傷→拡散特性の変化→マクロな劣化,といった実際的な一連の劣化現象を再現することができ,また,マクロ構造の境界条件や使用環境の相違による劣化形態の変化も再現することができた. コンクリート等の準脆性材料のひび割れ進展挙動をより適切かつ安定に扱うために,節点積分近似を応用した簡易なFEMベースのひび割れ進展解析手法を新たに開発した.これにより,これまでの定型メッシュ解析法よりもひび割れ進展挙動を安定的かつ高速に扱うこどに成功するとともに,既往の実験結果を再現することにより,その結果の妥当性・有効性を確認した.加えて,準脆性材料の破壊現象をモデル化するためのCohesive crack modelを改良して数値解析の安定性を向上させたことにより,従来の方法では困難であった問題の解析を可能とした.そして,これをFEMベースのひび割れ進展解析手法に組み込むことにより,Cohesive crack modelに特有の力学的エネルギー収支を考慮した準脆性材料の離散ひび割れ進展解析手法を構築するとともに,混合モード破壊の著名なベンチマーク試験を精度良く再現可能であることを示した.
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Research Products
(13 results)