2006 Fiscal Year Annual Research Report
アレロパシーの生態学的解析とその効果を組み込んだ藻場生態系の富栄養化抑制機能評価
Project/Area Number |
06J05092
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 文彦 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アカモク / Skeletonema costatum / アレロパシー / バイオアッセイ / 増殖制御 |
Research Abstract |
1,アレロパシー物質生産性モデル構築 分子量分画膜で海藻アカモクのアレロパシー物質の分画を試みたが,分画膜からSkeletonema costatumの増殖を阻害する物質が溶出するためバイオアッセイができなかった.一方,ポリビニルポリピロリドン(PVPP)をアカモク培養液に入れて反応させるとアレロパシー効果が低下した.よってPVPPによりアレロパシー物質を吸着・除去できることが分かり,吸着した物質を同定し,指標として活用できるか評価する予定である. アレロパシー物質生産に及ぼすアカモク培養時の光の照射と窒素・リン吸収の影響をS.costatumに対するアレロバシー効果で評価したところ,窒素・リン吸収はアレロパシー効果に影響せず光の照射がアレロパシー効果を増大させることが分かった.アカモクに対して培養時の光強度を4段階に設定して得た培養液をバイオアッセイした結果から,アカモク培養時の光強度とアレロパシー効果(生産として評価)との関係をモデル化することができた. 2,微細藻類に対するアレロパシー効果モデル構築 本研究で実施しているバイオアッセイ手法では栄養塩に関係なく最大比増殖速度を示すS.costatum細胞を用いていることから,メカニズムは栄養塩摂取阻害ではなくS.costatumの細胞に直接作用する生理的異常によると推定される.アレロパシー物質の同定と併せ今後さらに追及していく. アカモク培養液を希釈したものをS.costatumによりバイオアッセイした結果,アカモクのアレロパシー物質濃度とアレロパシー効果は比例的関係にあることが分かった.また,S.costatum細胞濃度を変えたバイオアッセイから,アレロパシー効果は細胞濃度に反比例することが明らかになった.これらの結果をもとにアレロパシー効果によるS.costatumの増殖抑制モデルを構築することができた.
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