2006 Fiscal Year Annual Research Report
微細藻類の環境適応を利用した高圧培養による不飽和脂肪酸の効率的生産法の開発
Project/Area Number |
06J05104
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大田 昌樹 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 微細藻類 / 脂肪酸 / Chlorococcum littorale / 分圧 / トリグリセリド / 緑藻 / 静水圧 |
Research Abstract |
地球温暖化は日々深刻化しており,効率的なCO_2固定化・変換技術の開発が急務となっている.本研究では,光エネルギーを利用して高効率のCO_2固定を行う微細藻類の閉鎖系培養により,高付加価値脂肪酸への高効率のCO_2変換を検討した.本年度は微細藻類の中でも高いCO_2固定能を有する緑藻Chlorococcum littoraleを対象とし,細胞増殖および脂肪酸生産に対する圧力(静水圧およびガス分圧)の影響を中心に検討した.その結果,細胞増殖および脂肪酸生産に対してガス分圧の寄与が著しかったことからガス分圧による制御について詳細に考察した.酸素は細胞増殖およびトリグリセリドの生産を阻害したが,膜脂質の生産には影響を及ぼさなかった.一方,膜脂質中の脂肪酸について酸素は不飽和化酵素の活性を調節する可能性が示唆された.CO_2の影響を考察した結果,細胞増殖および脂肪酸生産についてCO_2の解離状態の寄与が観察され,速度論的解析より制御因子の特定に至った.特に,脂肪酸生産の促進にはアセチルCoAからマロニルCoAへのCO_2固定化反応およびアセチルCoAとマロニルACPの脱炭酸反応の促進が不可欠であった.また,脂肪酸生産についてはガス成分とともに培地中N源の影響も大きいことも示唆された.なお,C.littoraleの脂肪酸生産能力は他の油糧植物に劣らないことが判明し,高効率のCO_2変換効率(〜45%)も有していた.
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Research Products
(1 results)