2006 Fiscal Year Annual Research Report
トロイダル系核融合プラズマにおけるポロイダル回転制御
Project/Area Number |
06J05106
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 裕己 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 核融合 / プラズマ / 磁場閉じ込め / TUーHeliac / CHS / 閉じ込め改善モード / イオン粘性 / ポロイダルフロー |
Research Abstract |
本研究では、トロイダルプラズマにおける、閉じ込め改善モードへの遷移機構の解明を目的として、装置サイズ、磁場のリップル構造の大きく異なるヘリカル型装置である、TU-HeliacとCHSおいて熱陰極バイアス実験を行った。 両装置で、閉じ込め状態の遷移後において、粒子/エネルギー閉じ込め時間の改善が観測され、電極バイアスによる閉じ込め改善モードへの遷移が達成された。また、閉じ込め状態の遷移時において、電極電流の分岐を伴うプラズマ抵抗の非線形な振舞いが現出し、さらに遷移電流は磁場配位に対して明確な依存性を有する事が示された。以上の結果は、閉じ込め改善モードへの遷移条件はプラズマ中に注入される加熱パワー閾値よりも、むしろプラズマ中に駆動された流束によって決定される事を示しており、TU-Heliac, CHSにおける、閉じ込め改善モードへの遷移現象は新古典的な機構として説明され得る事を示唆している。 さらに、磁場リップル構造の大きく異なる装置において、実験的に評価されたイオン粘性力とShaingのイオン粘性モデルとの間で良好な一致が示された。以上の事柄は、閉じ込め改善状態への遷移機構はイオン粘性の極大値に起因するポロイダルフローの分岐現象として説明され得る事を示している。 これらの成果は、炉心プラズマ研究に重要な知見を与えるものであり、本論文で解明した遷移機構は、今後の本分野における研究に、重要な進展をもたらすものと言える。
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Research Products
(6 results)