2006 Fiscal Year Annual Research Report
キュウリモザイクウイルス抵抗性遺伝子の機能解析と下流シグナル伝達系の分子解剖
Project/Area Number |
06J05113
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関根 健太郎 東北大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | キュウリモザイクウイルス / シロイヌナズナ / RCY1 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
シロイヌナズナのエコタイプC24は、キュウリモザイクウイルス黄斑系統[CMV(Y)]に対する抵抗性遺伝子RCY1を持ち、過敏感反応抵抗性を誘導する。これまで、RCY1遺伝子に一塩基置換を生じCMV(Y)抵抗性を失った変異体rcy1-2〜7を作出した。 本年度は、rcy1変異体のCMV応答を詳細に解析した結果、アミノ酸置換部位の差異により過敏感細胞死を誘導する系統(rcy1-2,4)と誘導しない系統(rcy1-3,5,6,7)があることを見出した。さらに、rcy1-2/rcy1-4ヘテロ型植物において、抵抗性反応が復帰することを明らかにし、RCY1タンパク質分子間の相補作用の存在を示した。 また、RCY1遺伝子の発現量と抵抗性の強度の関係を調べるために、罹病性エコタイプColumbia(Col)にRCY1遺伝子を導入した形質転換体(Col::pRCY1)において、RCY1遺伝子の発現量が異なる複数のラインを作出した。Col::pRCY1のCMV(Y)応答を解析した結果、RCY1遺伝子の発現量が高いほど抵抗性の強度が増すことを明らかにした。また、RCY1遺伝子の発現量が野生型C24の100倍程度高いライン#2において過敏感細胞死の誘導を伴わず、ウイルスの増殖を著しく抑制する高度抵抗性を誘導することを示した。次に、マイクロアレイ解析により、Col::pRCY1#2と野生型Colそれぞれの健全植物体間で遺伝子発現量を比較したところ、発現量に差が認められた遺伝子の大部分は、防御関連遺伝子やストレス応答性因子、病害抵抗性シグナル因子であった。このことから、RCY1遺伝子の高レベル発現により、CMV抵抗性シグナル伝達系が活性化されるものと推察された。
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Research Products
(3 results)