2007 Fiscal Year Annual Research Report
キュウリモザイクウイルス抵抗性遺伝子の機能解析と下流シグナル伝達系の分子解剖
Project/Area Number |
06J05113
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関根 健太郎 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | キュウリモザイクウイルス / シロイヌナズナ / RCY1 |
Research Abstract |
シロイヌナズナのエコタイプC24は、キュウリモザイクウイルス黄斑系統[CMV(Y)]に対する抵抗性遺伝子RCY1を持ち、過敏感反応抵抗性(HR)を誘導する。前年度までに、RCY1遺伝子のmRNAの発現量が高いほどCMV(Y)に対する抵抗性の強度が増すことを明らかにしている。 本年度は,RCY1のタンパク質の蓄積量とCMV(Y)抵抗性の強度の関係及び、CMV(Y)抵抗性誘導時のRCY1タンパク質の発現変動について解析した。そのために、HAタグを付加したRCY1-HAタンパク質を発現する形質転換コンストラクトを作成し、CMV(Y)に対して罹病性を示すシロイヌナズナエコタイプColにアグロバクテリウム減圧浸潤法を用いて遺伝子導入を行い、形質転換体Col::pRCY1-HAを複数ライン作出した。Col::pRCY1-HA各ラインにCMV(Y)を接種した結果、野生型のC24同様にHRを誘導するライン、ウイルスの増殖を強く抑えHRによる壊死斑の拡大の小さいmoderate HRを誘導するライン、ウエスタンブロット法では確認できない程ウイルスの増殖が抑えられており、細胞死を伴わない高度抵抗性を示すラインとライン間で抵抗性強度に差異が認められた。HA抗体を用いたウエスタンブロット法により、Col::pRCY1-HA各ラインの健全状態のRCY1-HA量を比較すると、抵抗性の強度とRCYタンパク質の蓄積量との間に正の相関があることが明らかとなった。また、Col::pRCY1-HAのHRを誘導するラインにおいて、CMV(Y)接種後のRCY1-HA量を経時的に測定したところ、蓄積量に顕著な変動は見られなかった。以上より、CMV(Y)抵抗性は、健全状態のRCY1タンパク質量で制御されており、その蓄積量により抵抗性の強度が決定されるものと考えられた。
|
Research Products
(4 results)