2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト社会主義國中央アジアのアイデンティティ形成:ウズベキスタンの言語・文化政策
Project/Area Number |
06J05131
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
淺村 卓生 東北大学, 大学院国際文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中央アジア / ウズベキスタン / 言語政策 / 文化政策 / 近代化 / 文字改革 / アイデンティティ |
Research Abstract |
1、基本文献資料の収集(1930年代の言語政策に関わるウズベキスタンの新聞・雑誌・書籍) 6月に北海道大学スラブ研究センターにおける資料調査のために札幌市に1週間滞在し、センター図書室所蔵の1920-30年代のウズベキスタン発行の新聞コレクションを中心に調査・閲覧・複写した。 8月から9月にかけてはウズベキスタンおよび隣国のクルグズ共和国において学術調査を行なった。ウズベキスタンの国立公文書館の資料室では当初の目的の資料を入手できなかったものの、当時の新聞の原本が良好な保存状態で保管されていることがわかり、専らその資料を閲覧・複写して多くの資料を得た。雑誌に関しては国立ナヴァイー図書館の資料にあたり、当時の教育関係の雑誌を中心に論文および報道記事を複写した。書籍は国立図書局の保存資料を閲覧・複写した。さらにここでは図書局所蔵本の1970年代までの文献総目録を全て購入もしくは貸借して複写したため、1917年から70年までのウズベキスタン発行の全ての出版物の概略を知る貴重な資料を手に入れることができた。これはソ連邦期におけるウズベキスタンの言語政策の影響のみならず、印刷物を通じて当時の出版や言論の状況を通時的・数量的に把握できるようになったという意味において、今回の調査旅行の中でもひときわ大きな成果であった。 また、滞在期間は短かったが、ウズベキスタンのフェルガナ州とクルグズ共和国のオシュ州にも赴き、それぞれ州立図書館で言語政策関連の資料を閲覧した。 2、論文の執筆 10月以降は、上記の文献を利用して調査結果を学術論文にまとめて投稿するための準備期間と位置づけ、持ち帰った大量の資料の分析を中心に行なった。その成果を近々雑誌論文として投稿する予定である。またウズベキスタンの劇場と演劇文化に関する論文が『朝倉世界地理講座』(朝倉書店)によって発行されることになっている。
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Research Products
(1 results)