2007 Fiscal Year Annual Research Report
リアノジン全合成とカルシウム放出チャネルの機能研究
Project/Area Number |
06J05232
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩原 幸司 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | リアノジン / C_2対称 / Diels-Alder反応 / 電解脱炭酸反応 / Tiffeneau-Demjanov反応 / 渡環アルドール反応 |
Research Abstract |
リアノジンABDE環コア炭素骨格の全ての炭素が官能基化されたC_2対称鍵中間体の合成に成功した。また鍵中間体までの収率、操作上の簡便性を大幅に改善することに成功した。以下詳細を示す。 出発物質であるp-キシロキノンは、安価である2,5-ジメチルフェノールの過酸化水素を用いた酸化反応により、100gスケール61%での合成に成功した。得られた化合物をソディウムジチオナイト溶液で還元し、89%で2,5-ジメチルフェノールとした後、無水マレイン酸とのDiels-Alder反応により、26%で二環性骨格を合成した。無水カルボン酸部の加水分解、白金電極を用いた電解脱炭酸反応により68%でオレフィン導入を達成した。この5工程において、最終化合物以外はカラムが不要であり、操作上においても簡便な二環性骨格を合成した。無水カルボン酸部の加水分解、白金電極を用いた電解脱炭酸反応により68%でオレフィン導入を達成した。この5工程において、最終化合物以外はカラムが不要であり、操作上においても簡便な二環性骨格大量供給法を確立した。続いて、ジケトン部をCorey法によってエポキシ化した後、アンモニアの付加、Tiffeneau-Demjanov反応により3工程43%でビシクロ[3.3.2]-デカン骨格を構築した。この環拡大反応においても最終化合物以外はカラムが不要であり、容易に八員環化合物へと変換できる方法を確立した。続いて、ジケトン部をTMSエノールエーテル化後、DMDO酸化によりビス(α-ヒドロキシケトン)とした後、トリフリックアシッド、ジクロロメタン65℃で渡環アルドール反応を起こし、4工程46%の収率でコア炭素骨格を構築した。生じた1,2-ジオールのアセトナイド保護、DMP酸化により、2工程93%で再度C_2対称化合物へと変換した。最後に、TBSエノールエーテルを経由したm-CPBA酸化により2工程71%でケトンのα位に水酸基を導入し、C_2対称鍵中間体の合成に成功した。
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