2007 Fiscal Year Annual Research Report
磁気嵐に伴う赤道域内部磁気圏の電磁場,高エネルギー粒子分布関数の変動
Project/Area Number |
06J05248
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西村 幸敏 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 磁気嵐 / 電場 / 環電流 / 放射線帯 / プラズマ圏 / あけぼの衛星 |
Research Abstract |
磁気赤道域で観測を行ったCRRES衛星の電場データを用い,substom時の対流電場の応答と空間構造を解析した。その結果,夕方側から真夜中前にかけでの内部磁気圏領域で,地上磁場から同定されたsubstorm onsetと30秒以内の精度で同時に対流電場の増大が見られた。この電場増大は環電流イオンの圧力増大,プラズマ圏プラズマ密度の減少と対応していた。 これらのことは,内部磁気圏対流電場は磁気嵐のみでなくsubstormによっても支配され,onsetと同時に対流電場の増大をもたらすことを表す。電場の高速応答は,磁気圏近尾部から内部磁気圏への電場の瞬時伝搬機構の存在を示唆し,地上磁場の解析から電離圏を経由し伝搬している可能性を示した。この対流電場は環電流粒子を加熱し,region2電流系を発達させる。region2の発達は中低緯度夜側地上磁場データで同定され,オーロラ帯の西向きジェット電流と逆向きの電流系がonsetから5分程度遅れて発達を開始した。 substorm回復相時の電場観測から,対流電場の増大領域はプラズマシート地球側境界と環電流の地球側境界の狭い電荷分離領域で発達していることが分かった。プラズマ圏界面はプラズマシート地球側境界の位置と一致しており,プラズマ圏界面がプラズマ圏とプラズマシートの境界層として観測された。また,電場観測から同定されたよどみ点の位置はプラズマ圏界面の位置と異なり,03R_E程度内側に存在していた。この領域では強い電場がプラズマ圏内まで侵入しており,プラズマ圏プラズマが太陽側ヘドリフトし,plume構造の形成に寄与していることを示唆する。プラズマ圏界面とプラズマシートの地球側境界は等しいExBドリフト速度で運動し,プラズマ圏界面が冷たいプラズマ圏プラズマと熱いプラズマシートプラズマの境界となっていることを表している。
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Research Products
(2 results)