2006 Fiscal Year Annual Research Report
金属触媒および有機触媒を用いた複素環化合物の新規合成法の開発
Project/Area Number |
06J05256
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金澤 親志 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 銅金属錯体触媒 / イミダゾール / イソシアニド / 付加環化反応 / 有機塩基触媒 / フタリド / σアルキニル安息香酸 / 分子内環化反応 |
Research Abstract |
昨年度の研究期間で私は、金属錯体触媒ならびに有機分子触媒を用いた触媒的環化反応による新規複素環構築法の開発に成功している。 銅金属錯体触媒を用いて異なる二種のイソシアニドを交差付加環化させることによりイミダゾールが合成されることを見出した。銅金属錯体触媒として一価の酸化銅を用いた場合に最も収率良く反応が進行し、対応するイミダゾール誘導体が単一の生成物として高い収率で得られた。本反応はα位に電子吸引基により活性化されたメチレンを持つイソシアニドと、もう一方のイソシアニドとの[3+2]付加環化反応により進行するものと考えられる。イミダゾールは化学の様々な分野において重要な地位を占める化合物であるが、それらの触媒反応による合成は未だに例が少ない。また本反応は容易に入手または合成が出来る化合物を基質として用いるため、イミダゾール合成反応として有用である。 一方、有機塩基触媒を用いたσアルキニルベンゼン誘導体の分子内環化反応によるフタリド合成法の開発にも成功している。有機塩基触媒としてDBU(1,8-diazabicyclo[5,4,0]-undec-7-ene)を用いσアルキニル安息香酸に対して反応を行ったところ、高選択的に5-exo環化反応が進行し高い収率でフタリド誘導体を得た。基質によっては5-exo/6-endo選択性が下がるものもあるが、多くの場合において5-exo環化体が主生成物として得られている。金属錯体触媒による同様な反応は幾つか報告されているが、入手容易である単純な有機塩基を触媒として用いている点が興味深いと言える。
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Research Products
(2 results)