2008 Fiscal Year Annual Research Report
基質認識型ブレンステッド酸触媒による環境調和型有機変換反応の開発
Project/Area Number |
06J05257
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
反町 啓一 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | リレー型触媒反応 / ブレンステッド酸 / 金属錯体 / Cooperative catalysis / 連続反応 / 異性化 / 炭素-炭素結合生成反応 / Friedel-Crafts反応 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の研究実施計画に基づき、金属錯体とブレンステッド酸の二成分系による連続的な異性化反応と続く炭素-炭素結合生成反応によるリレー型触媒反応を検討した。 近年、異なった二種類の触媒を組み合わせることで新規変換反応の開発研究が行われている。二種類の触媒を組み合わせた反応系はCooperative catalysisと呼ばれ、これまでに優れた反応例が幾つか報告されている。(遷移)金属錯体と有機分子を組み合わせたCooperative catalysisも報告されており、それぞれの触媒の特徴を生かした反応系の開発が行われている。その多くは、金属錯体が親電子剤の活性化、有機分子触媒が求核剤の活性化というように、二つの触媒が同時に親電子剤、求核剤の両方を活性化することにより反応が進行している。 これに対し、金属錯体/ブレンステッド酸の二成分系によるアリルアミドの連続的な異性化反応と続く炭素-炭素結合生成反応によるリレー型触媒反応を検討した。触媒量のルテニウム-ヒドリド錯体とブレンステッド酸存在下、N-保護アリルアミンの連続的異性化により生じたイミンと電子豊富な芳香族化合物とが反応し、良好な収率でFriedel-Crafts反応生成物を得ることに成功した。置換基を有するアリルアミン、種々の芳香族化合物が本反応に適応できることを示すとともに、1,3-ジカルボニル化合物を用いたMannich反応への展開にも成功した。本リレー型反応は、系内のエナミドを低濃度に保ち、エナミドのオリゴマー化を効率よく抑え、種々の求核剤の利用を可能にしている。
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Research Products
(4 results)