2007 Fiscal Year Annual Research Report
方解石成長ステップでのD-,L-アミノ酸の選択吸着メカニズムの解明
Project/Area Number |
06J05263
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 美帆子 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 方解石 / 光学異性体 / 位相シフト干渉計 / 1分子挙動観察 / 蛍光ラベル |
Research Abstract |
(1)アスパラギン酸添加によるステップ移動速度変化の測定 昨年度までに得たアスパラギン酸添加条件での方解石成長速度の測定結果をまとめ、アメリカ合衆国ヒューストン大学での議論を行い、アスパラギン酸が方解石成長に及ぼす影響について新たなモデルを構築した。このモデルにより、不斉吸着が起こりうる環境に制限を与えることに成功した。なお、これらの結果はCrystal Growth & Design誌にReviseして再投稿中である。 (2)蛍光ラベル化アミノ酸を用いた1分子挙動観察 昨年度までに確立した方法で蛍光ラベル化Lアスパラギン酸(TR-LAsp以下、略称を用いる)を合成し、これを用いて方解石表面における1分子挙動観察を行い、成功した。これは、無機結晶表面における不純物の挙動を、光学的手法によって1分子単位で直接観察した初めての例である。本研究で当初目的にしていた観察事象は以下に述べる2点であった。今年度の観察により、これらの目的はほぼ達成され、国内外の学会にて成果を発表した。 A) TR-LAspの方解石表面における吸着領域を直接視覚化する。 B)TR-LAspの方解石表面における滞在時間を測定し、この吸着物理的な弱い吸着なのか、化学的な強い吸着(結合)なのかを確認する。
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