2007 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学バイオリソグラフィー技術の開発とバイオチップ・デバイスへの応用
Project/Area Number |
06J05284
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 昌彦 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロ流路 / 表面処理 / マイクロ電極 / 抗体チップ / 細胞チップ / マイクロアレイ / 共培養 / 誘電泳動 |
Research Abstract |
我々は電気化学反応によってタンパク質・細胞の接着を誘導する電気化学バイオリソグラフィー技術を新たに開発し,抗体チップや細胞診断チップなどの開発に独自の取り組みを行ってきた.本技術をマイクロ流路系に集積化しチップを完全に組み立てた後の流路内壁にタンパク質を局所配置し,これまで研究してきた血中成分やストレスマーカーを自動で検出できるバイオリソグラフィー試作機を共同研究企業と共に開発した.作製したデバイスは一連の操作を擬似生理条件下において行うことが可能である.従って,従来法と比較して乾燥に起因するタンパク質・細胞へのダメージを軽減することが期待できる.白血球の診断は感染症などの診断のための重要な判断材料となる.極めて煩雑な操作が必要な形態観察を,マイクロ流路チップを用いて自動で行うために,数μlの血液中から細胞を流路の特定の位置に配置・固定するための研究に着手した.くし型電極に交流を印加することで発生する誘電泳動力を細胞に作用させ流路の特定の領域に細胞を収集し,サンプル中の細胞を余すことなく利用するための仕組みを考案した.上記の電気化学バイオリソグラフィー技術と負の誘電泳動技術を組み合わせて行うことで細胞を迅速かつ簡便に配置することができた.また,抗体の選択性を利用して,血液中から好中球(白血球の一種)を捕捉し,血球細胞診断チップへの応用を試みている.実用化を考え,これまでに作製してきた流路型の抗体チップにQCMを組み込み,蛍光検出よりも高感度な免疫測定を行う研究に取り組んだ.まず,流路系への集積化が容易な新型のQCMセンサを作製し,微小流路中でQCMセンサによる抗原抗体反応のリアルタイム,ラベルフリー測定を行った.また,作製したQCMセンサで,電気化学バイオリソグラフィーによる表面改質の様子をリアルタイムで観察し,QCMセンサへの展開が可能であることを確認した.
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Research Products
(8 results)