2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体への埋め込みを目指したグルコース/酸素型バイオマイクロ燃料電池の開発
Project/Area Number |
06J05285
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
都甲 真 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | バイオ燃料電池 / ビタミンK3 / マイクロ流路 / 微細加工 / 酵素電極 / 小型電源 |
Research Abstract |
我々はこれまで,安全で体内埋め込み可能な小型電源を開発するために酵素を触媒としたグルコース/酸素型のバイオ燃料電池の研究を行ってきた. ここで特徴的なのは,グルコースの酸化極であるアノードの電子メディエータに有機物であるビタミンK3を用いていることで安全性を高めている点である.本年度は更なる電極性能の向上のため,新規にビタミンK3ポリマーの合成を行うことで,飛躍的な性能の向上を達成することに成功した.さらにカーボンブラックの利用によりグルコースの酸化電流密度は2mAcm^<-2>にまで達した. 次に微細加工によってマイクロ流路型のバイオ燃料電池を作製することで,このグルコース酸化極のバイオ燃料電池のアノードとしての性能を評価した.マイクロ流路型バイオ燃料電池の利点としては,このまま小型電源として使用できることのみならず,燃料溶液の送液状態をコントロールできるため,電極の性能のみを様々な条件において定量評価できるという点にある.これにより,バイオ燃料電池の出力の流速依存性,耐久性を評価した.さらなるマイクロ流路型バイオ燃料電池の研究を進めており,電池の構造といった面においての,バイオ燃料電池性能に与える影響などの検討も行っている. これまで我々が研究してきたバイオ燃料電池の酸素極(カソード)は白金電極であり,反応選択性,また酸素還元能といった点からも,カソードに酵素電極を用いることが望ましい.そこで,中性において酸素の4電子還元が可能であるビリルビンオキシダーゼという酵素を用いた酵素カソードの研究も行い始め,これを用いることで,電池の電圧,電力を上昇させることができた.
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Research Products
(1 results)