2006 Fiscal Year Annual Research Report
高感度高S/N性能を維持した100dB超の広ダイナミックレンジ撮像素子の研究
Project/Area Number |
06J05298
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤羽 奈々 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 撮像素子 / 広ダイナミックレンジ / CMOS / 高S / N |
Research Abstract |
完全電荷転送埋め込み型フォトダイオードに隣接して飽和を超える光電荷を画素毎に蓄積する横型オーバーフロー蓄積容量を用いた100dBの広ダイナミックレンジ性能を有する固体撮像素子の思想を踏襲し、高感度高S/N性能を維持しながら、更なるダイナミックレンジ拡大(200dB超)と更なる画素サイズ縮小を目指し、今年度は200dB超のダイナミックレンジを持つ撮像素子を試作・評価し、超広ダイナミックレンジ化のための基礎技術を確立した。電圧読み出し動作(横型オーバーフロー容量動作)では、それぞれ約100dBのダイナミックレンジをもつ、露光時間1/30sから1/130ksの電子シャッター動作を時系列的に行うことにより、約10^<-2>1xから約10^61xの光量範囲で160dBを超える線形応答の広ダイナミックレンジ撮像を可能とした。フォトダイオードから光電流を増幅して読み出す電流読み出し動作を時系列的に組み合わせることで10^81xを超える光量までの撮像を行えるようにし、総合して200dBを超えるダイナミックレンジ性能を得た(ISSCC2006,映情メ2006年3月)。試作は、0.35um 2P3M CMOSプロセスを用い、有効画素数64x64、画素サイズ20um角で行った。さらに、本撮像素子を用いることにより、光ショットノイズを含むすべてのノイズに対して、すべての信号切り替え点で40dB以上の高S/N性能を確保して、200dB超の広DR性能を少ない露光時間回数で実現1できることを確認した(ICIS2006,映情メ2006年6月)。また、フォトダイオードの飽和前と飽和後の信号切替点において、光ショットノイズに対して40dB以上の高S/N性能を確保することにより、より高照度側へのダイナミックレンジ拡大の際に信号切替点のノイズばらつきが視認されずダイナミックレンジ拡大を行う方法を確立した(IEEESENSORS2006)。この成果を論文にまとめ、本撮像素子の課題を明らかにし、この課題を克服した,200dB超のダイナミックレンジ・全光量範囲でリニアな応答をもつ撮像素子を提案した(映像情報メディア学会誌2007年3月)。さらに、耐熱性高気密封止パッケージの提案により、動作温度範囲・保存温度範囲の拡張を実現した(SPIE IS&T 2007,Work shop 2007)。
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Research Products
(12 results)