2006 Fiscal Year Annual Research Report
CW型細胞質雄性不稔イネにおける稔性回復機構および雄性不稔性発現機構の解析
Project/Area Number |
06J05312
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Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
藤井 壮太 東北大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞質雄性不稔性 / 稔性回復遺伝子 / 花粉発達 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
CW型細胞質雄性不稔性における稔性回復遺伝子Rf17は-遺伝子で稔性回復を支配する因子である.ポジショナルクローニング法を用いてRf17をイネの第4染色体77kb内に絞り込んだ.相補実験を試みた結果,Rf17に座乗していたPPR遺伝子を含むゲノム断片を雄性不稔系統に導入することによって稔性回復が起こることを示した。このPPR遺伝子をCWPPR2とした.相補したゲノム断片にはCWPPR2の他に機能未知の遺伝子も座乗していたが,機能未知遺伝子には塩基配列の変異が見られず,CWPPR2はRf17の候補として有力であると考えられた. プロテオミクス解析によるスクリーニングを行い,稔性回復系統と雄性不稔系統がアミノ酸配列の異なるミトコンドリアALDH2bタンパク質を保持していることを明らかにした.同時に,ノーザンプロットを用いて,稔性回復系統と雄性不稔系統との問で発現パターンが異なるミトコンドリア遺伝子orf284,rp15を見い出した.これらの遺伝子は細胞質雄性不稔性の起因に関わっている可能性が示唆された. マイクロアレイ解析を用いた遺伝子発現解析で,雄性不稔系統で発現が変動している遺伝子を約150個見い出した.RNAi法を用いたノックダウンで,実際にこれらの遺伝子の発現減少が雄性不稔性を引き起こすことを確認した.そのうちにはprotein kinase遺伝子や,protein phosphatase 2C遺伝子も存在し,これらの遺伝子は雄1生器官発達におけるミトコンドリアシグナルに関連している可能性も考えられた.
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Research Products
(2 results)