2007 Fiscal Year Annual Research Report
多様性指向型有機合成による生理活性天然有機化合物およびその類縁体の合成研究
Project/Area Number |
06J05326
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
生駒 実 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 多様性指向型有機合成 / ドラグマサイジン類 / ドラグマサイジンD / 鈴木-宮浦カップリング / 全合成 |
Research Abstract |
本研究では、多様性指向型有機合成によって天然有機化合物をモチーフとした生物活性小分子の探索を行っている。本年度は主に、深海のホヤおよび海綿から単離された海産天然有機化合物であるドラグマサイジン類の系統的合成方法論を確立するための研究に取り組んだ。これら類縁体群の系統的合成に向けた方法論の開発のために、まずドラグマサイジンDの全合成研究を検討した。ドラグマサイジンDは、その構造的特徴として、不斉炭素を介してインドール環とアミノイミダゾール環が連結した構造を有している。このような構造を短段階で得るためインドールフラグメントとイミダゾールフラグメントを鈴木-宮浦カップリング反応により連結する合成計画を立案した。まず、モデル実験としてイミダゾールフラグメントと1'-ヨードスチレンとの鈴木-宮浦カップリング反応を行なった。 その結果、中程度の収率で目的とするイミダゾールーインドールフラグメントの合成を行なうことができた。この際にヨウ素体の不安定性が問題となったため、実際にインドール誘導体を用いて種々の条件検討を行った。その結果、臭化ビニル体を用いることで、化合物の安定性や反応性の問題を解決した合成法へと辿りつくことができた。現在、ドラグマサイジンDの全合成を目指し、中心部オキシピラジン環構造の効率的な合成法の検討を行なっている。これが完了次第、ドラグマサイジンDの全合成を目指す予定である。
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Research Products
(4 results)