2006 Fiscal Year Annual Research Report
多値非同期データ転送に基づくLDPCデコーダの構成に関する研究
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06J05347
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鬼沢 直哉 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 情報通信工学 / 電子デバイス・機器 / 半導体微細化 / チップ内高速データ転送技術 / 非同期式制御 / 多値符号化 / 誤り訂正符号 / 差動対回路 |
Research Abstract |
初年度となる本年度は、非同期データ転送技術に基づくLDPCデコーディングアルゴリズムの動作を検証する設計環境の構築、および非同期式制御LSIの基礎回路実現について検討した.すなわち,従来までは非同期式回路しか考案されてなかったため,この技術を用いたシステムの動作を検証する場合,トランジスタレベルにまでさかのぼって設計しなければならなかったために,シミュレーション時間が膨大なものであった.そこで今年度は高水準プログラミング言語C++上で非同期式制御のモデルを構築することで従来シミュレーションと比較して1000倍以上高速にシミュレーションが可能となった.その結果提案デコーディングアルゴリズムが従来アルゴリズムと比較して2倍以上の高速化を達成されることを示した.また提案LDPCデコーダではデータ転送部は非同期式制御である一方,演算部は同期式制御のため,同期化回路によるオーバーヘッドが存在した.そこで演算部に非同期式制御であるNull Convention Logicを適用することで同期化に伴うオーバーヘッドを解消することができる.その一方でNCL回路は2線式回路であるのに対して通常CMOS回路では1線式回路であるため回路規模が大きく,結果として遅延時間・消費電力が増大した.そこで電流モード実現によるNCL回路の提案を行った.電流モード回路では2入力2出力の差動対回路を積み上げることで演算が実現することから,2線式回路であるNCL回路をコンパクトに実現することができる.この結果,従来のCMOS実現によるNCL回路と比較して高速・低消費電力・コンパクト化を達成することを明らかにし,2006年11月に電子情報通信学会英文論文誌IEICEに採択された.
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Research Products
(5 results)