2007 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児の自発行動に影響をおよぼす概日リズム中枢機構の解明
Project/Area Number |
06J05421
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
中村 渉 Osaka Bioscience Institute, 神経科学部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | 概日リズム / 視交叉上核 / 同調因子 |
Research Abstract |
1.時計遺伝子生物発光モニター遺伝子導入マウスの概日リズム出力および光反応性 これまでマウス自発行動測定に用いてきた赤外線センサー計測機器に加え、輪廻し行動測定を経時的に行う実験装置を作成した。実験装置は環境条件を一定にコントロールしつつ、任意の光刺激を行うことができる。32chの同時測定装置を確立することにより詳細な概日リズム行動測定が可能になった。今後の実験に用いる時計遺伝子生物発光モニター遺伝子導入マウスの基本概日行動パラメーター(自由継続周期、自発行動量、同調位相角差)および環境光刺激に対する位相反応を記録し、レポーター遺伝子導入がマウスの概日行動に影響を与えていないことを確認した。 2.Social interaction(社会的相互作用)の概日リズム同調機構 自由継続周期が遺伝的に異なるWild-typeマウスとHeterozygous Clock mutant mouseを用いて、Social interactionが相互の行動概日リズムを同調する因子となりうるかを検討した。自由継続周期に1時間以上の差異が見られる遺伝子型の同腹マウスには恒常暗環境下で完全な概日リズム周期の一致は認められなかった。しかしながら位相依存的な相互作用が観察され、さらに詳細な検討が必要である。 3.時間制限給餌が行動概日リズムに与える影響 給餌タイミングをコントロールし給餌時間を制限すると、マウスは給餌時間に対して予知行動を示す。これは光同調性振動体に対して食餌同調性振動体が行動リズムを制御しているものと考えられている。機能的時計遺伝子欠損マウスにおいて食餌同調性振動体が機能するかを検討した。予想に反して時計遺伝子欠損マウスにおいて給餌予知行動が認められた。このことは今後光同調性振動体を基本とした多振動体機構を解明していく上で重要な知見となる。
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Research Products
(5 results)