2006 Fiscal Year Annual Research Report
外場応答性フォトニック結晶による蛍光物質の励起状態の制御
Project/Area Number |
06J05453
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保 祥一 東京工業大学, 資源化学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 負の屈折率 / 外部刺激 / 金 / ナノ粒子 / コロイド / 液晶 |
Research Abstract |
金属は、微細な構造をとった場合に、通常とは異なる特徴的な光学特性を示すことが知られており、注目を集めている。この光学特性は周囲の環境に影響を受けるため、液晶などと組み合わせることによって外部刺激によって屈折率の変化を誘起できる可能性がある。本研究では、粒子径が数ナノメートルである金ナノ粒子について検討した。このナノ粒子が高屈折率溶媒中に高濃度で存在する場合に、屈折率が1以下や負の値を示す波長領域が現れることが理論的に予測されている。ナノ粒子の凝集を防ぎ、高濃度の条件を実現するために、アルキル鎖で保護されたナノ粒子をトルエン中で合成し、分散性のよいコロイド溶液を得た。次に、この溶液から薄膜試料を調整し、エリプソメーターを用いて屈折率の測定を行った。屈折率の実数部と虚数部の波長分散は、理論計算の結果とよく一致した。この結果は、材料設計に用いた理論モデルが妥当なものであり、条件の最適化によって期待された光学特性を得られる可能性があることを示している。また、さらに負の屈折率を実現しやすい構造として、シリカと金の複合材料の作製を試みた。まず、粒子径が数十ナノメートルであるシリカ微粒子の表面にポリアリルアミンを静電吸着させた。次に、これを金ナノ粒子のコロイド溶液と混合した。ポリマーの側鎖であるアミノ基と金との結合により、シリカの表面に金のナノ粒子が均一に分散した構造を得た。この作製法は、シリカ微粒子だけでなく、表面に電荷を帯びている多くの材料に対して表面に金を分散させることができるという特徴がある。
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Research Products
(1 results)