2007 Fiscal Year Annual Research Report
大容量光通信ネットワークのための周期多層膜構造による可変光機能デバイス
Project/Area Number |
06J05630
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
須田 悟史 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非線形位相シフト / 非線形光学効果 / 自己位相変調 / 非線形エタロン / 全光学素子 / 光カー効果 |
Research Abstract |
40Gb/sを超える超高速光伝送システムは波長分散と自己位相変調等の非線形光学効果における波形劣化の影響が深刻である。波長分散は線形光学効果であり、分散補償技術による完全なパルス整形が可能であるが、強度依存の非線形光学効果における波形劣化は線形補償では無力である。そこで本研究では可飽和吸収体を挟んだ非線形エタロンを用い、入力パワーによって可飽和吸収体の屈折率を変化させ、位相を変化させるデバイスを提案した。入力パワーに応じて得られる位相が変化するため、自己位相変調によって発生したパルス内の位相を補償する事ができ、超高速光通信における長距離光伝送を実現できる。 昨年度には理論解析をまずは行い、実際にデバイスを製作し位相特性の測定を行った。理論値と実験値はほぼ一致し、デバイスの多層膜構造を変化させる事により、正と負両方の符号を得られる特性を発見し、非線形光学効果を補償可能なデバイスへ一歩踏み出した。負の位相は非線形光学効果を補償するデバイスとして機能するのは元来の提案であるが、正の位相シフトはパルス圧縮や半導体レーザーのチャープ補償に利用可能である。共振器構造を用いる事で非常に低いパワーで大きな位相シラトを得る事ができる事が分かった。 本年度は、実際に非線形光学効果によって発生する正の位相差を補償する負の位相差が得られるデバイスを作成し、超距離ファイバ伝送させた時の補償効果の測定を行い、理論通りの補償結果が得られた。これにより、光で光の位相を制御するという技術を確立し、光学分野で困難とされてきた位相制御の第一歩を開拓したと言える。
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Research Products
(9 results)