2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機分子の界面配向秩序および界面エネルギ構造の評価と有機デバイスへの応用
Project/Area Number |
06J05641
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田口 大 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 有機分子 / 界面配向秩序 / 液晶 / アンカリング / 接触帯電 / プレチルト角 / 配向オーダーパラメータ / 界面エネルギ |
Research Abstract |
界面配向秩序形成機構の考察をふまえて、固体基板の界面効果と界面配向秩序の関係に踏み込んで研究を行った。これは、当初計画した通り、(1)液晶セルアンカリングと界面配向秩序の関係、(2)接触帯電と界面配向秩序の関係、の2つの観点で研究を進めた。 1、界面配向秩序に注目した液晶セルのアンカリング現象の考察…有機分子は界面で向きを揃えて配向する特徴をもつ。この特異な配向の影響を液晶アンカリングエネルギとして取り入れることで、アンカリング現象を再検討した。これによって液晶分子の永久ダイポールと固体基板の映像ダイポールとの相互作用を、特に界面で重要に成るものとして初めてアンカリングの観点で取りまとめ、アンカリングエネルギおよび容易軸への影響を考察した。さらにアンカリングエネルギを制御したポリイミドLB膜液晶セルを用いてプレチルト角測定系を新たに構築し、測定結果を界面効果を取り入れたアンカリングの式から検討した。 2、界面配向秩序に注目した電荷注入の制御…注入電荷量と界面に特徴的な配向秩序の関連をCooperative Molecular Field Effectにもとづいて静電エネルギの観点から考察し、有機金属界面における注入電子によって界面液晶配向秩序がどのように変化するのかを考察した。また、実際に界面効果として電荷注入による再配向が起きているかを確認するために、表面電位法とSHG法の組み合わせ評価を行い、金属の違いによって界面配向秩序が異なることを見出した。 また、界面配向秩序の評価についても、さらなる評価技術の信頼性の向上と新たな配向秩序形成過程の発見を目指し、継続して研究を進めることができた。 バルクとは異なる界面での複雑な配向秩序に注目し、界面配向秩序と界面効果(液晶アンカリングと接触帯電)との関係を明らかにすることができた。
|
Research Products
(12 results)