2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖認識化合物の合成およびその機能の解明に関する研究
Project/Area Number |
06J05652
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田宮 実 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 三環式化合物 / 還元的酸化反応 / ビアリールエン-アルデヒド |
Research Abstract |
プラジミシン-ベナノミシン系抗生物質はCa^<+2>イオンの存在下ウィルス表層に存在する高マンノース鎖に特異的に結合し、抗HIV性、抗真菌性を示すことが知られている。しかし、その作用機構に関する詳細については現在のところ解明されていない。その原因の一つとして、今まで用いていた基質が天然からの誘導体に限られ、自ずと誘導化にも限界があったことが挙げられる。そこで、今年度は、作用機構解明の為に必要な様々な類縁体の合成を目的とし研究を行った。具体的には、プラジミシン-ベナノミシン類のE,D環部のない様々なアグリコン部の合成、および、天然物のB環部にあるジオール部位の片方の水酸基がアルキル基で置換された構造を持つ化合物の合成を目的とし研究を行った。前者に関しては、当研究室で既に開発された合成戦略を用いることにより、三環式化合物を合成することに成功した。得られた三環式化合物に対して糖とアミノ酸を導入した後、保護基を除去することにより目的の化合物を合成することに成功した。今後は、合成した化合物の活性評価をする予定である。また、後者に関しては、ビアリール構造を持つエン-アルデヒド間での還元的環化反応を行った。すなわち、還元剤としてSmI_2を用い、各種合成したビアリールエン-アルデヒドの還元的環化反応を行った結果、反応はトランス選択的に進行することを見出した。また、この反応の立体選択性に関しても有用な知見を得ることができた
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Research Products
(1 results)