2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖認識化合物の合成およびその機能の解明に関する研究
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06J05652
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
田宮 実 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 応用生命科学部, 助教
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Keywords | 有機合成 / コンピュータシュミレーション |
Research Abstract |
近年、細胞の自己/非自己認識や接着などの現象が、細胞表面に存在する多様な糖鎖を手がかりとしていることが明らかにされ、こうした分子論的解明が急務となっている。従来、糖鎖認識物質として専らレクチン(糖鎖結合性タンパク質)が想定されていたが、最近、低分子化合物であるベナノミシン-プラジミシン系抗生物質にも真菌、ウイルス等の表面糖鎖と特異的に相互作用することが明らかにされた。このことは有機化学によって低分子量化合物を設計、合成し、糖鎖認識の研究に供し、その理解を深める道が開けたことを意味するものである。プラジミシン-ベナノミシシ系抗生物質はウィルス表層に存在する高マンノース鎖にCa^<+2>イオンの存在下、特異的に結合し、抗ウィルス活性を示すことが知られている。しかし、現在のところその作用機構の詳細は解明されていない。その原因の一つは、今まで生物活性実験に用いた基質が天然からの誘導体に限られ誘導化に限界があったことが挙げられる。そこで、今年度は、昨年度に引き続き、作用機構解明の為に必要な様々な類縁体の合成を目的とし研究を行った。具体的には、我々が開発した、アグリコン部の合成手法をべースとし、多様性に富んだ合成手法の確立、また、コンピュータシュミレーションを行うことにより、糖鎖とプラジミシン誘導体の結合様式の解明を目標に新潟薬科大学において研究を行った。
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