2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J05667
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中田 勉 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | エラ / アンモニア / 窒素代謝 / Rh |
Research Abstract |
窒素代謝の最終段階として,硬骨魚類はエラから直接アンモニアを排泄することが知られているが,その分子メカニズムは明らかにされていない。一方,脊椎動物に広く保存されているRhファミリー分子が,アンモニア輸送活性を持つことが近年明らかになった。このファミリーが硬骨魚類のアンモニア排泄を担うという仮説を立て,これを検証するために,全ゲノムが解読されているトラフグを用いて研究を行った。 データベース検索により,フグゲノム上にはRhAGのオーソログが1つ(fRhag),RhBGが1つ(fRhbg),RhCGが2つ(fRhcgl,2),それぞれ存在することが明らかになった。これら全分子についてノーザン解析を行った結果,全ての遺伝子がエラに強く発現していた。 次にこれらの遺伝子の組織内での発現部位を明らかにするために,in situ hybridizationを行った。その結果,Rhagはpillar cellに,Rhbg及びRhcg2はpavement cellに,Rhcg1はmitochondrion-rich cell(MRC)にそれぞれ発現が見られた。更に免疫染色を行った結果,Rhagはpillar cellのアピカル膜とバソラテラル膜の両方に局在することが明らかになった。Rhbg及びRhcg2はpavement cellのバソラテラル膜,アピカル膜にそれぞれ局在していた。またRhcg1はMRCのアピカル膜に局在していた。 また,これらの分子が実際にアンモニア輸送活性を持つかどうかを確認するため,アフリカツメガエル卵母細胞を用いた発現実験を行った。その結果,全ての分子にメチルアンモニア輸送活性が確認された。以上の結果から,Rhファミリーが硬骨魚類のエラからのアンモニア排泄に重要な役割を果たしていることが示唆された。
|