2007 Fiscal Year Annual Research Report
イソロイシンtRNAのコドン特異性・アミノ酸特異性を決定する機構の構造的基盤
Project/Area Number |
06J05669
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中西 孝太郎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 構造解析 / RNA修飾酵素 / 転写後修飾 |
Research Abstract |
今回の構造決定にいたるまでに,研究代表者は11種類の生物種からTilSの遺伝子をクローニングし、それら組換えタンパク質のh発現を大腸菌の系を用いて試みた.その結果,5つの生物種のTilSにおいて,その発現と可溶性画分での蓄積を確認した.さらに遺伝子データバンクを用いて,それら生物種のイソロイシンtRNA(tRNA^<Ile>_2)の遺伝子を検索,同定した.一般にデータバンクでは,アンチコドンの塩基配列によってtRNAの分類(そのtRNAがどのアミノ酸に対応しているのか)を分類している.tRNA^<Ile>_2の遺伝子tDNA^<Ile>_2のアンチコドンは,メチオニンtRNA(tRNA^<Met>)のものと同じCATであるため,tRNA^<Met>として登録されている.そこで,採用者はイソロイシンtRNA合成酵素のtRNA認識塩基をすべて有し,かつメチオニンtRNA合成酵素の認識塩基を持たないtRNAをtRNA^<Ile>_2と予想した.このような方法で選んだtDNA^<Ile>_2をT7プロモーターの下流にクローニングし,in vitro転写によってtRNA^<Ile>_2を調製した.最終的には,これらtRNAがTilSによってリシジン化されることを確認することによりtRNA^<Ile>_2であると判断した.これらの実験から採用者は2種類の生物種においてTilSとtRNA^<Ile>_2の複合体の結晶を得ることに成功した.しかしながら,一方の結晶では8Å以上の分解能の反射データを得ることができなかった.その結果,1生物種においてその結晶構造を分解能3.65Åで決定することに成功した.現在研究代表者らはこれらの結果をまとめ学術論文に投稿している.
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