2006 Fiscal Year Annual Research Report
次世代無線通信のための電波伝搬路の解析とモデル化に関する研究
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06J05684
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
羽田 勝之 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超広帯域通信 / MIMO通信 / 電波伝搬測定 / 電波伝搬路モデル化 / 無線機器開発 / ストアドチャネルモデル / ストアドチャネルシミュレーシ |
Research Abstract |
本年度実施した研究は以下の2点でまとめられる。 1)超広帯域双方向電波伝搬路モデルの有効性検証 2)ストアドチャネルシミュレーションの有効性検証 1)は,我々が今までに構築した超広帯域双方向時空間電波伝搬路モデルの有効性および妥当性を検証することが目的である。検証方法は,モデル化結果から再構成した電波伝搬路応答およびモデルが作られる元となった実験データの両方を用いて伝送シミュレーションを行い,両シミュレーション結果がどの程度合致するかを検討した。結果,角度および時間上で離散的な「伝搬パス」および連続的なスペクトルを持つ「Diffuse成分」の両者に分けて電波伝搬路をモデル化する必要があることが分かった。角度・時間軸上で連続的なスペクトルを持つDiffuse成分の正確なモデル化方法は未だに確立されていないが,我々はこの近似的なモデル化手法を提案し,伝送シミュレーションにおいて導入することで伝送特性を正確に表現できることを示した。本成果については,国内会議で2回口頭発表を行い,2007年4月にも国際会議のポスターセッションにて発表予定である。 2)は,研究テーマ1)と平行して行われた。我々が今まで行ってきた電波伝搬路応答を数式や物理法則に結び付けてモデル化する方法に対して,測定した伝搬路応答そのものをモデルとして扱う方法をストアドチャネルモデルと呼び,このモデルを用いて伝送特性を評価する方法をストアドチャネルシミュレーションと呼ぶ。ストアドチャネルシミュレーションは無線送受信機の性能を実際の環境で評価する際に有効であるため,この方法の正確さを証明することを目的とした。実際の無線送受信機を用いて得た受信波形,そして同じ送受信機構成およびストアドチャネルを用いて行った計算機シミュレーションより得られた受信波形を比較し,両者がほぼ一致することを確認した。本成果についても国際および国内会議で発表を行い,国内においては電気学会優秀論文賞を受賞した。
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Research Products
(2 results)