2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNAタイルを用いた自己集合モデルの誤り抑制に関する研究
Project/Area Number |
06J05697
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤林 健一 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DNAナノテク / DNAセルフアセンブリ / アルゴリズミックセルフアセンブリ / アセンブリエラー / DNAリボン / DNAタイル / DNAオリガミ |
Research Abstract |
望みの構造の精密なセルフアセンブリは,ボトムアップナノテクノロジーの基盤である.DNA分子はこの目的にもっとも適した素材であり,DNAナノテクと呼ばれる分野が発展している.複数種のDNAタイルを用いたアルゴリズミックセルフアセンブリは,セルオートマトンと等価な非周期的なパターンのDNA結晶体が作成可能な方法である.これまでの研究において,パターンをもったDNA結晶体ができることが実験的に確認されている.しかし実際には,結晶体形成時に意図しない種類のタイルが結合するため,誤ったパターンを形成するだけでなく,不必要な凝集体が形成されてしまう.それゆえ,アルゴリズミックセルフアセンブリには高精度かつ高収率な結晶体を得ることが困難とされてきた.そこで本研究では,DNAタイルとDNAオリガミを用い,これまで報告されている実験結果の中で最も複雑で,高精度かつ高収率な結晶体(DNAリボン)の作成に成功した.この実験では,一度におよそ250種類のDNAストランドを反応させ,10種類のタイルと初期列を含んだリジッドなシード構造(DNAオリガミ)を形成する.その後,個々のタイルがセルオートマトンのルールによって,シード構造の初期列からアルゴリズミカルに成長し,結果として,およそ300タイルから成る300nm長のリボン結晶体を得た.これらのリボンのAFM画像から,エラー率(約1.4%)が測定できた.これにより,従来では難しかったエラー率の定量的な測定が可能であることが示された.
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Research Products
(1 results)