2007 Fiscal Year Annual Research Report
2-デオキシストレプタミン生合成に関わる特異酵素群の基質認識機構及び反応機構解析
Project/Area Number |
06J05731
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横山 健一 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 生合成 / アミノ配糖体抗生物質 / ラジカルSAM酵素 / 糖転移酵素 / 電子スピン共鳴 |
Research Abstract |
今年度はまず、2-デオキシストレプタミン含有型アミノ配糖体抗生物質ブチロシンの生合成に関して、昨年度その酵素機能を解明することができた、2-デオキシ-scyllo-イノサミン(DOIA)酸化反応を触媒するラジカルSAM(S-アデノシルメチオニン)脱水素酵素BtrNについて、EPRスペクトルを用いた反応機構解析を行った。まず、酵素反応溶液のEPRスペクトルを50Kにて測定することで、有機ラジカルのシグナルを観測することに成功した。重水素化した基質を用いた場合のスピン結合の消失パターンからDOIAの3位炭素上にラジカルが生じていることがわかった。一方、反応中の酵素の鉄硫黄クラスターについてもEPRスペクトルを用いて解析したところ、未反応のBtrN、BtrN-SAM複合体、BtrN-SAM-DOIA複合体と考えられるシグナルを観測することができた。基質の結合に伴ってシグナルの形状が大きく変化したことから、両基質がともに鉄硫黄クラスターのすぐ近傍に結合していると考えられる。以上の結果から、本酵素がラジカル機構の水酸基酸化反応を触媒することを分光学的に証明することができた。 また、同じくDOS含有型アミノ配糖体抗生物質であるネオマイシンの生合成に関しては、DOS生合成以降の基本骨格構築を担う糖転移酵素の解明を目指し、組換え酵素の機能解析を行った。その結果、ネオマイシンが有する二つのアミノ糖の導入には二つの互いに独立した糖転移酵素、NeoDとNeoKが機能している一方で、その後の脱アセチル化に関しては単一の酵素、NeoLが繰り返し機能していることが明らかになった。NeoKは既知の糖転移酵素とはほとんど相同性を示さないため、新規な糖転移酵素ファミリーを形成しているものと考えられる。
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Research Products
(5 results)