2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会現象や事象の分析・評価が可能な大規模都市シミュレーションモデルの構築的研究
Project/Area Number |
06J05753
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
市川 学 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 都市シミュレーション / ABM / SOARS / 感染症 / 社会科学 / 社会モデル / インフルエンザ / 仮想都市 |
Research Abstract |
本研究の目的は、20万人規模の実在都市をエージェントベースシミュレーションによる手法を用いて仮想都市(都市モデル)を構築し、都市で起こると考えられる社会現象に対する政策の評価を行うことのできるシミュレーションモデルを提供することである。 この大規模都市シミュレーションモデルを構築するにあたり、昨年度構築した駅勢圏を中心とした都市シミュレーションモデルと、構築の際に利用した階層型の都市モデルの設計手法を利用し、国勢調査を利用した仮想都市シミュレーション構築環境の整備を平成19年度に行った。この環境では、国勢調査の調査結果をもとに、任意の世帯構造・人口・商業施設・事業所を持つ仮想都市シミュレーションモデルを構築することを可能としている。専用の都市構造入力シートを別途用意し、シミュレーション環境に読み込む手法を採用することにより、この仮想都市シミュレーション環境を利用するユーザーの求める仮想都市を、容易に手に入るができるようになった。現在、複数の市町村を1つの仮想都市モデルとして表現すること可能となっている。 また、この仮想都市シミュレーション上に組み込めるモジュールの開発準備として、建物内におけるインフルエンザの拡大シミュレーションモデルを構築した。このモデルでは、実データに基づいて建物における人間の行動がモデル化されており、人間同士の接触をもとに感染症が拡大する様子をシミュレーションすることができる。実際にインフルエンザが拡大した際の統計情報と、モデルにおける感染者数の推移のシミュレーション結果を照らし合わせることによって、建物内における感染拡大率の推計を行っている。今後、この推計値を利用することで、仮想都市モデル内での建物内における感染症拡大モジュールが構築できると予想される。
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Research Products
(4 results)