2006 Fiscal Year Annual Research Report
社会現象や事象の分析・評価が可能な大規模都市シミュレーションモデルの構築的研究
Project/Area Number |
06J05753
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
市川 学 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 都市シミュレーション / ABM / SOARS / 感染症 / 社会科学 / 社会モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、20万人規模の実在都市をエージェントベースシミュレーションによる手法を用いて仮想都市(都市モデル)を構築し、都市で起こると考えられる社会現象に対する政策の評価を行うことのできるシミュレーションモデルを提供することである。 この大規模都市シミュレーションモデルを構築するにあたり、平成18年度は基礎モデルとなる駅勢圏を中心とした都市シミュレーションモデルの構築を行った。このモデルでは、モデル化を行う対象都市を、建物レベル・学区レベル・市町村レベル・都道府県レベルの4階層に分離するという従来のセル型を利用した都市モデルではなく、空間切り分け型の都市モデルを実現している。従って、この都市モデル内で生活するエージェントはそれぞれの階層化された空間を移動することで、従来のマス目上を移動する行動を表現している。空間移動行動で距離移動行動を実現するという点がこのモデルの1つの特徴である。 このモデルのもう1つの特徴は、それぞれの学区レベルに利用可能な駅の定義を行ったことである。学区レベルに駅を定義することによって、上記4階層のほかに駅勢圏という別の次元の階層を実現している。複数の駅勢圏を定義し個々の勢圏を接続することにより都市内・都市間での駅利用を考慮に入れた人間の行動をモデル化することに成功している。このモデルでは、学生の通学行動、買い物行動、鉄道を利用した移動・通勤行動が実現され、人々の一般的な日々の目常行動が組み込まれている。現段階において、スケールダウンされた2万人規模のモデルが使用可能である。この都市モデル上で利用可能なサンプルモジュールとして、簡易の感染症プラグインの構築を行った。このプラグインの感染率を操作することにより、都市内での感染率に応じた感染症の拡大の状況を視覚的にとらえることを可能にしている
|
Research Products
(5 results)