2006 Fiscal Year Annual Research Report
大規模マイクロ実装のための液架橋カアライメント技術
Project/Area Number |
06J05768
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾畑 賢一 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 液架橋 / 微小物体操作 / 濡れ性 / 凝集 |
Research Abstract |
液架橋力によるマイクロ実装を実現するためには,液滴を選択的に供給する必要がある.その手法として,雰囲気蒸気の凝集を利用する手法は微小液滴の蒸発を防ぐ上で有用であると考える.凝集を利用した液滴供給手法について,理論的検討および実験を行った.まず,液滴の蒸発速度(体積変化率)について計算した.その結果,初期液滴体積からの変化率は,液滴の代表長さ(半径等)の2乗に反比例すると分かった.例えば,露点が15℃で表面温度が20℃の場合,半径10ミクロンの半球状水滴(約2ピコリットル)は40秒程で蒸発すると考えられるが,半径1ミクロンの場合(約2フェムトリットル)は0.4秒ほどで蒸発する.従って,液滴の寸法が小さくなればなるほど,熱容量がより小さくなることも相まって,発熱および吸熱素子による液適量の制御が難しくなることが明らかとなった.また,濡れ性が高いほど蒸発しにくく,濡れ性が低いほど蒸発しやすいことも分かった.以上の結果を踏まえて,微小液滴の選択的結露,および結露した液滴の体積安定化を図る実験を行った.加熱冷却素子として制御の容易なペルチェ素子を用い,湿度をコントロールしたチャンバ内で銅基板表面の温度を制御した.基板表面温度を露点まで下げた後,数秒間フル冷却し,その後加熱して露点温度を保つようにした.この間,結露した液滴の体積変化を光学顕微鏡による観察で推定した.その結果,吸熱量の大部分が顕熱に費やされていること,冷却時間によって液滴の総量を制御できるが凝集する液滴の個々の大きさや液滴の数は決められないこと等が明らかになった.液滴を結露させるための時間を短縮するためには,加湿による露点温度の上昇や冷却効率の向上が有効であることも確認した.
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Research Products
(2 results)