2008 Fiscal Year Annual Research Report
大規模マイクロ実装のための液架橋力アライメント技術
Project/Area Number |
06J05768
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾畑 賢一 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 毛細管現象 / 実装 / 把持・脱離 / 微小体 |
Research Abstract |
マイクロ実装における液架橋力の利用による微小体のアライメント技術の実現とその大規模実装への適応性を検討するために,液体の動的挙動を考慮した微小物体の操作方法について理論的な検討を行った.マイクロ実装における微小体のアライメント手法には機械的手法や静電力による手法もあるが多数の物体の同時操作には向かないため,液架橋力を利用する手法が期待される.それを理論的に予測し,操作のための条件地図を作成する事が重要である.静的な条件下での検討はすでに確立し報告し,また,ガラス細管による液体供給も可能である事も既に示しているので,最後に,動力学的な影響を明確にする事とした.軸対称を仮定し,無限平板と有限半径をもつ微小体の間に液体を配置し,平板を動かす事で微小体を脱離させるプロセスを考え,平板と微小体の間に働く力を検討した.微分法的式は厳密に無次元化でき,各パラメーターの影響はいくつかの無次元数で表す事ができる事を示した.4次のルンゲクッタ法を用いることで数値的に解を求めることができた.各無次元数の液架橋形状変化およびフォースカーブにおよぼす影響を明らかにできた.ラフォースカーブにおける力の最大値が把持力となる.さらに,動的挙動における把持力に対しては慣性力と粘性力の影響が重要となる.把持力とウエーバー数がある領域で線形関係を示す単純な関係を示す事を示し,それが慣性力の影響を意味することを示した.また,把持力とキャピラリー数の関係もある領域で線形関係を示す単純な関係となる事を示し,それが粘性力の影響を意味する事を示した.これらの結果から,慣性力と粘性力の把持力におよぼす影響が支配的になる条件領域を明らかにし,実在の材料および操作に利用する液体の物性値を用い動的挙動の微小体アライメントに及ぼす影響を考察した.
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