Research Abstract |
瞬時電圧低下補償装置(DVR)に無効電力補償や高調波電流補償の機能を追加するために,並列機器にPWM整流器を使用する。この場合,PWM整流器の昇圧機能を用いることで,その接続点に依存せずに,エネルギー蓄積要素の小型化が可能である。そのPWM整流器の接続点の自由度を利用して,直列変圧器や直列機器の容量低減の可能性を検討した。理論的な検討の結果,DVRの一般的な動作条件である,負荷力率が0.5以上,電圧低下が50%時において,PWM整流器を電源側に接続した回路構成が,負荷側に接続する回路構成に比べて,直列機器の容量を低減できること(力率1時に1/2に低減)を明らかにした。また,200V,5kW,実験システムにより,その妥当性を明らかにした。 さらに,低圧用(200/400V)のDVRとして,高周波絶縁形DC/DCコンバータを用いたDVRの検討を行った。従来の商用周波数(50/60Hz)で動作する直列変圧器の代わりに高周波変圧器を用いることで,DVRの体積が低減でき,実際に設計・製作した20kHz動作の高周波変圧器は,直列変圧器の1/100の体積に低減できることを実証した。また,直列機器の瞬低待機の還流動作を行う素子に導通損失の小さなMOSFETを使用することにより,瞬低待機時の損失の低減と高速な瞬低補償が可能になる。補償電圧に零相電圧制御を適用することで,直列機器の電圧定格低減や各相の電力の分担が可能で明らかにした。200V,5kWの実験システムを用いて上記の確認を行い,その有効性を確認した。
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